コラム

2018.3.29 木曜日

これからのフィットネス指導者への期待
(3)お客様の可能性を拡げる

日々のレッスンでは、暗黙のうちにお客様から心地よさが求められます。フィットネス指導者はこうしたお客様の要請に応える必要がありますが、フィットネス指導者の仕事は、お客様を喜ばせることだけにあるのではありません。もちろん、お客様に喜びと心地よさを与えなければ仕事は継続できませんが、喜ばせる、あるいは満足させることだけを目指したのでは指導者とは呼べません。

 

フィットネス指導者の仕事は、運動や健康づくりに関わる働きかけをお手伝いすることで、お客様の人生の可能性を拡げることなのです。「喜び」「満足感」「心地よさ」は、その可能性の拡大のための方法論であり、レッスンを継続するための目標にすぎません。

たとえば、筋トレによって筋力が向上したり筋量が増えたりすることによって、お客様の人生の可能性はどのように拡がるでしょうか? あるいは、子育てに一段落した女性がスタジオで汗を流すことが、その方の人生にどのような彩りをもたらすのでしょうか?

 

運動やトレーニングをしているお客様の姿を目の前にして、「この運動やトレーニングがお客様にどのようなメリットをもたらすのか」という程度に想像すること(想像するだけです)は、お客様とのコミュニケーションを深化させる上で役立ちます。

 

腰や肩に痛みを感じる高齢者が、ストレッチングや運動によって痛みが抑制されて楽に動けるようになれば、その高齢者の人生の可能性は大きく拡がることでしょう。

 

フィットネス指導者の仕事は「お客様の可能性を拡げること」であるといっても過言ではありません。