コラム
2017.11.30 木曜日人を変える
(2)身体を変える
人を変える
(2)身体を変える
フィットネス指導者は、お客様へのさまざまな働きかけを通じて、どのような役割を果たしているのでしょうか? 一言でいえば、「お客様の心身の状態や生活行動を変える」ということに尽きます。ここでは“人を変える”ということについて考えてみたいと思います。
人を変えるといっても、その人の何を変えるのか、目的によって、変わり方や方法もさまざまです。が、大きく分けて、身体を変える、行動を変える、知識・状態を変える、意識・信念を変える、の4つの変え方があります。
もっとも分かりやすいのは、身体あるいは身体の状態を変えることです。体重を減らすのもその一つですし、筋力を増やす、血液中のコレステロール値を下げるという変え方もあります。
そしてたとえば、体重を減らすための方法として、運動する、食事量や栄養量を減らすというアプローチが考えられます。「体重を減らしたい」「痩せたい」というお客様が来たら、そのお客様が安全に運動できる環境を整え、やり方を教えて、運動できるようにお手伝いをするのが、フィットネス指導者の役割になります。
当然のことながら、体重を減らすからといって、血を抜いたり脂肪組織を吸引したり、というような物理的な手法はもちろん、痩せるまで走らせるといった強制的な手法もとりません。トレーニングを“やらせる”のではなくて、“やっているのを見守る”こと、つまり、体重を減らすのではなくて、結果として減っていくのを見守るのがフィットネス指導者の仕事です。
運動は、フィットネス指導者が命じて行う強制的なものではなく、お客様が自主的に行うものです。フィットネス指導者には、たとえば、それまで運動していなかったお客様が運動習慣をもつような行動変容を引き起こすこと、つまりお客様が運動する気になるように働きかけるという役割があります。これが、“行動を変える”という次の視点につながります。