コラム
2017.7.28 金曜日機械ではできない仕事
フィットネスインストラクター、トレーナーの仕事は、お客さんがそれぞれに抱えている問題を解決することです。そして、その問題や解決の方法は、お客さん一人一人でみんな違っています。
だから、インストラクター、トレーナーの皆さんにとって大切なのは、自分が何をしたいのか、どうするのかではありません。お客さんがどう感じているのか、どう変わりたいと思っているのか、実際にどう変わったと感じているのか、気づけるようになることです。そうなることによって、お客さんに寄り添うことが可能になります。
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お客さんがどう感じているのか。簡単には分かりません。でも、分からないからといって、時間が来たら声かけをして、マニュアル通りにプログラムを進め、時間内に仕事をすませるのであれば、ビデオを流すのと一緒です。
フィットネス指導の映像をビデオで流すのは、機械がする仕事、機械でもできる仕事です。機械でもできる仕事と、人にしかできない仕事。その違いは、どこにあるのでしょうか? お客さんを相手にするサービス業において、人にしかできない仕事とは?
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人にしかできない仕事とは、お客さんを思いやること、そして、お客さんに寄り添うこと、お客さんの気持ちになって一緒に考えてみることであると、私は思います。
実際の運動指導の現場では、皆さんに言われたとおりに身体を動かすというお客さんも多いと思います。しかしそのような状況でも、動いているのはお客さん自身であって、皆さんが動かしているわけではありませんよね。
そのとき、お客さんは何を感じ、何を求めているのか、みなさんが感じとることができないと、ただ単に一方通行の指導になってしまいます。それぞれのお客さんがどのような問題を抱えているのか、それをどのように解決したいと思っているのか、気づいてあげることができたら、お客さんの立場になってプログラムの効果を考えることができるはずです。
皆さんの指導プログラムの成功は、皆さんがいかに完ぺきに演技・指導ができたかではなくて、そのプログラムによってお客さんの抱える問題がどれだけ解決に近づいたかによるのです。
お客さんの思いや期待に寄り添ってあげること。これが、機械ではできない、人にしかできない仕事なのです。