コラム

2017.7.20 木曜日

サービスを消費する理由

フィットネスインストラクター、トレーナーのみなさんは、フィットネスの指導というサービスを提供することが仕事です。

では、お客さんはなぜ、何のためにフィットネスクラブを選び、会費を払ってサービスを受けようとしているのでしょうか? ただ単にエネルギーを消費するためだけに、フィットネス指導というサービスを受けているのでしょうか?

じつは、お客さんは、サービスという商品そのものを得ようとしているのではなくて、サービスを受けることによって、それぞれが抱えている何らかの問題を解決しようとして、クラブに集まってくるのです。これは、フィットネスに限らず、あらゆる消費行動の原点です。

たとえば、コンビニで水やお茶入りのペットボトルを買おうとする人は、そのペットボトルを自分のものにしたいわけではなくて、のどが渇いているから、あるいは他の理由があってペットボトルを買いたいと思っているのです。フットマッサージを受ける人は、疲れを癒やしたいのかもしれませんし、コリを解消したいのかもしれません。ただひたすら、足に物理的な圧迫を加えることだけを望んでいる人は、めったにいないと思います。

フィットネスでも同じです。

みなさんの前に集まるお客さんは、見かけの上では運動をしに来ているわけですが、「なぜ運動しようとしているのか」という動機や、「運動することによってどうなりたいのか」という目標は、一人一人、みんな違うはずです。メタボの予防や解消のためかもしれませんし、筋力をつけたいのかもしれません。気晴らしのため、トレーナーのAさんや運動仲間のBさんやCさんと楽しい時間を過ごしたいからなのかもしれません。

お客さんが求めているのは、それぞれが抱えている問題の解決なのであって、その問題や解決の方法は、一人一人、違っているのです。