コラム

2018.10.23 火曜日

ヘルスプロモーションへの挑戦10 サークル会費を設定する

《これまでのあらすじ》

早稲田大学に奉職して以来、私が密かに胸に温めてきた研究プロジェクトがいよいよ1998年度にスタートした。その夏にキャンパス(小手指・狭山ヶ丘を含む)周辺地域の住民を対象として、「健康づくりモニター」と称して参加者を募って実施されたのが最初のウォーキング教室である。

 

そこでは、歩き方や靴の履き方、坂道の登り降りといった歩きのテクニック、そしておなじみの心拍数の計り方や水分補給などといった運動生理学的知識を提供した。また、毎日の歩行歩数の記録を通じて“動くこと”の意識を高めるということも、この「健康づくりモニター」の目標であった。

 

ウォーキング教室は嬉しい悲鳴を上げるほどの参加者を集め、翌1999年にかけて2度開催された。そして、多くの参加者の方々から「今後もみんなで一緒に歩きたい」というご要望をいただいた。「みんなで楽しく歩こう」をモットーに早稲田大学所沢キャンパス周辺を中心にウォーキングを楽しむ集まり、「ウォーキングサークル」が誕生したのである。サークルの話は口コミで伝わり。申し込みは116名に達した。

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サークルの立ち上げにあたって、最初に直面したのは、「いったいお金がいくらかかるのか」ということだった。199年10~12月に行われた秋のサークル活動に関わる経費(実費)は次の通りであった。

 

会員募集              12,150円

ウォーキング日誌(印刷)              15,080円

(発送)              15,080円

補助員賃金           84,000円(5人×8回@700×3h)

総会案内              11,900円

計                     138,210円                          (1,191円/人)

 

各回の参加者数は50人程度、経費の総計を会員総数(116名)で割ると、一人当たり1,191円となった。秋の活動は実質的には約2ヶ月間だったので、このようなウォーキングサークルを今後とも続けるとしたら、月々500円以上の実費が必要となるというわけである。この「500円」という数値は、その後のウォーキングサークルの会費月額の算定根拠となったのだった。