コラム
2018.2.13 火曜日DIO―USマスターに聞く
左からTor Campbell, Billy Blanks Jr., 奥村辰平, Eric Shoji
通訳:長谷山留美・奥村辰平
―Billyがフィットネスを始めたのはいつごろですか?
Billy 父(Billy Blanks)の影響で、フィットネスは子どもの頃から身近にあったよ。父が考案したタエボー・トレーニングがきっかけでフィットネスに入って、それからいろいろな人と関わりを持ちながらキャリアを積んできた。ただ、父のトレーニング(ビリーズブートキャンプ)はハードなので、途中で辛くなってやめてしまう人が多いと感じていたんだ。
もっと誰でも気軽に楽しめるプログラムを作りたいと思うようになって、それで作ったのがDIO(Dance It Out)なんだ。元々ダンスが好きで11歳の時にダンスを始めていたからね。2009年にDIOを始めて、2010年には日本でも展開できるようになったよ。
―DIOとは、どんなプログラムですか?
Billy 世界中のいろいろなダンスの要素が詰まっているんだ。ヒップホップ、ボリウッド、カントリー・ラインダンス、ボールルーム、ジャズ、アフリカン、フラ、ロシアン、ラテンスタイル、ブロードウェイ、ワールドダンシング、ディスコ、それからジャパニーズも。誰でも簡単にできるよ。一つのクラスで4、5種類のダンスを組み合わせて踊るんだ。
ウォームアップでは4つの方向に向かう動きを入れて、クラスのお互いが知り合い、コネクトしていくことから始める。エンターテイメントとしての演出もしながらだんだん強度を上げていく。今日はジャズが好きと言う人がいたり、ディスコは楽しめるけれどラテンはちょっとと言う人がいたりしても、いろいろなダンススタイルを入れ込むので、みんなどんどん引き込まれていくよ。
クラスではサークルになったり二人組になったりして、一つの場所にずっと留まることはしない。ダンスでその場にいる人と人を繋ぎ合わせて、幸せな時間を共有したいというのがDIOなんだ。
―なぜDance It Out という名前にしたのですか?
Billy ダンスによって気持ちを開放すること、ただダンスを楽しむだけではなくて、心が動くこと、そこがDIOのポイントなんだ。クラスで最初はしかめっ面をしていた人も、終わる頃には、にこやかにみんなと笑い合うようになる、というようにね。
以前、あるクラスが終わった後、女の子がやって来て、「私、リストカットばかりしていたんです。でも今はハッピー、元気になれました。素敵なクラスをありがとう」って言ってくれたこともあったな。インストラクターのトレーニングコースでも、みんな最後にはハグしながら泣いてしまう。ダンスが人の気持ちを変える、それを表現したかったんだ。
―他のプログラムとの違いはどこにありますか?
Billy DIOではダンススタイルも音楽も伝え方も、様々なチョイスができるんだ。例えばDIOオリジナルでは「音はめ」のように音楽と踊りがきっちり合うように作っている。音と踊りがパッケージになっていて、それを使ってトレーニングすれば初めての人でも教えることができる。
最初に振付を教えるという方法もあるよ。緻密でありつつ柔軟なフォーマットがあって、最初にお手本を見せてから、割稽古のようにここまで、とみんなに覚えてもらうから、“置いていかれた感“がなくて、“みんなでやった”感で終わることができるんだよ。
―DIOのインストラクターに求められることは何ですか?
Billy トレーニングコースでは、ダンススタイルも学ぶけれど、参加者をまとめる、つなげることのできる能力も習得していくよ。プログラムのことをよく理解していないといけないし、スキルも必要だけれど、教える人の人柄も大切。スチューデントファーストで、皆の顔を見て、皆が楽しめるようにするダンスセラピストとしての役割もあるんだ。
他のプログラムでは普通、上級者と初心者を分けてレッスンをすることが多いよね。でもDIOのトレーニングでは、一つのクラスに初めての人とプロのダンサーがいても教えられる技術も身につけることができるんだ。CMT(コリオグラフィティーチングメソッド)といってDIOの教え方にはいくつかの方法があるので、皆に伝わりやすいような方法や、トライさせる伝え方をチョイスできるよ。
―EricとTor、Billyはどんなインストラクターだと思いますか?
Eric 今日初めての人、特に「私でも大丈夫かしら?」と思っている人たちへの向かい方がとてもあたたかいんだ。愛があるし情熱もある。教え方が上手なのはもちろん、あたたかさ、パッション、ウェルカムでハッピーな雰囲気づくり。そこにいるだけで幸せになるという空気を作ってくれるグレートダンサーだと思うよ。
Tor 参加者を自然にコネクトすることができる人だよ。みんな知らないうちに結びついているんだ。グッドダンサーであるだけではなくて、ダンスを通して人に伝えることに長けている。踊りが上手なだけのダンサーは結構いるけれど、踊ることと伝えることとは違うよね。マイケルジャクソンの曲を覚えて踊ることができても、伝え方を知らないインストラクターは多いよ。Billyは伝える、伝わることをいつも意識していると思うし、それができる人なんだな。
―最後にBilly、読者の皆さんにメッセージをお願いします。
Billy DIOは世界中のいろいろな音楽で構成されていて、ダンスの種類がたくさんあるから、皆がオープンマインドでつながり合えば、新しいインスピレーションがわいたり刺激をしあったりすることができる。オープンマインド、心を開いてDIOの世界に入ってきて欲しいと思っています。
僕にとってダンスとは “way of my life”、僕の生き方そのものです。そんな僕と僕の仲間たちが創り出したDIOをどうぞ楽しんでください!