コラム

2018.8.21 火曜日

New ZJ 比嘉邦彦さんに聞く

 

 

 

 

 

 

 

比嘉邦彦(ひが くにひこ)

沖縄県出身・在住。2012年、ZUMBA®B1取得後インストラクター活動とともに、沖縄ラテンユニットSolunaのバックダンサーとしてLA TIDAに所属。2018年、ZUMBA® Jammerオーディションに合格。

 

中村 新ZESとZJの皆さんにお聞きしていることですが、比嘉さんはどのようにしてフィットネスそしてZUMBA®と出会ったのですか?

比嘉 大学在学中、スポーツ健康学科で地域の高齢者の方を対象とした「ヘルスアップ教室」に関わっていました。それでフィットネスの分野に興味をもち始め、卒業してからは名護市にメディカルフィットネスセンターに就職し、フィットネス部門で業務に携わったのが最初です。

2012年にフィットネスセンターで「有酸素運動のプログラムを行ってほしい」と頼まれて、その前からダンスフィットネスプログラムを担当していた先生のレッスンを引き継ぎました。レッスンを行っていくうちに他のプログラムもやってみたいと思い、調べていた時にZUMBA®を知りました。

まずは体験してみようと思って市内のクラブに出かけてみたのですが、テンポが速くて難しいので一番後ろでレッスンを受けていました。ついていけないと感じつつ、それ以上にともかく楽しくて、ZUMBA®をやってみたいと思い数か月後にB1を受けたんです。

中村 B1を受けてからすぐにZUMBA®を教えるようになったのですか?

比嘉 いえ、すぐにはできませんでした。B1を2日間受けてZUMBA®ってどういうものなのかは分かったのですが、ウォーミングアップやクールダウンはどうしたらいいのか、いろいろ消化しきれないところがありましたので。

それから数か月間、仕事が終わってからスタジオを借りて練習をしていました。曲数も多いので覚えるのに必死で、クラスを持つようになってからも、少しずつ参加者が増えていって定着するまで半年ぐらいかかったと思います。ZUMBA®を勉強するために、また自分がどのくらいのレベルなのかを知りたくて、県内のスポーツクラブなどZUMBA®のクラスがあるところにはほとんど行きました。

中村 沖縄のZINの方々との交流も始まったのですね。

比嘉 当時は男性のインストラクターが上間功真さんも含めて3人ぐらいしかいなかったと思います。とても珍しがられ可愛がってもらいました(笑)。いろいろなサークルやスポーツクラブのレッスン、沖縄でのワークショップに参加していくうちに、仲良くしていただける仲間やメンバーさんに出会いました。その中でも、ZINメンバーでもあるラテンユニットSolunaさん、ダンスグループLA TIDAさんとは県内各地のイベントで一緒にパフォーマンスをするなどして、たくさんの刺激を受けました。学ぶことも多く、とても感謝しています。

中村 約1年かけてZUMBA®のレッスンをもつようになった時、自分の位置はどのくらいにあると思いましたか?

比嘉 いろいろなジャンルのダンスキャリアをお持ちの先生も多くて、その方たちのダンス技術を見ていると自分のできなさが見えてきて、劣等感の塊みたいな状態でした。それでも“自分はZUMBA®でダンスに目覚めたんだ、僕にはZUMBA®しかない”と、自分なりに練習して少しずつ近づいていきたいと思っていました。

中村 そんな中で上間功真さんが2014年にZJになられました。比嘉さんがZUMBA®を始めて2年ぐらいたったころ、上間さんは沖縄の星として燦然と輝いていたわけですね。比嘉さんはなぜZJを目指そうと思ったのですか?

比嘉 上間さんのレッスンは何回か受けさせていただいて、レベルが違い過ぎるなと思っていました。オーディションを受けて合格されたということを聞いて、やっぱりなと。実は、上間さんが受けた前回のオーディションでは、僕も受けてみたいという気持ちはあったんです。でもオーディションの必須であるサルサが全然できなくて、振付もそんなに思い浮かばなかったので諦めました。

中村 そして4年後の今年、ZJオーディションに再チャレンジされたわけですね。

比嘉 インストラクターになって3年目ぐらいから、自分自身で振付をした曲が参加した人たちに「いいね!」「この振付好きです!」と言われることが増えてきたんです。今まで勉強してきたことが間違ってはいなかったと思えるようになりました。

ZJのオーディションは、最初に応募しなかったことをずっと後悔していました。今回のオーディションはサークルのメンバーさんに教えていただき勧められて、“今回を逃したらもうないだろう、これが最後だ”と思って応募しました。

最終選考まで残って、あとは自分で楽しむしかない、今までやってきたことを見ていただけたらと思い、選考に挑みました。他の人たちのプレゼンを見るのが楽しくて、とても幸せな時間を過ごすことができました。終わった時には、やりきったなという気持ちで一杯で、どちらに転んでも自分にとってプラスにしかならないと、僕自身の中では満足でした。

 

 

 

 

 

 

 

中村 そのオーディションに合格してZJとなりました。どんなZJになりたいと思いますか?

比嘉 ZINメンバーにとって身近な存在でありたいです。それぞれの方の個性や感情を引き出すサポートができればと。これから振付にチャレンジしたいという方に、フィットネスの視点やこれまでの作成経験を基に、体系立ててコリオ作りの指導やアドバイスができるよう目指していきたいと思っています。

中村 比嘉さんにとってZUMBA®とは何でしょうか?

比嘉 「自己表現の場」だと思っています。ZUMBA®に出会うまでは踊ることもなく、感情を表現することも少なかったんですが、曲によって楽しさや悲しさなど、様々な気持ちを表現できるのがZUMBA®ですよね。ZUMBA®のクラスをもっている時は自分が輝いている、自己表現できているなと感じるんです。

僕自身、舞台に上がるとスイッチが入るタイプで、自分が理想とするインストラクターの姿に切り替わるというか、入り込んでしまうんですね。普段は逆で、緊張感もなくぼーっとしているんですが(笑)。

中村 ZJとして本格的な活動がこれから始まるわけですが、ZUMBA®ファンやインストラクターの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。

比嘉 これからトレーニングを受けて、今まで作ってきたコリオや作成方法なども見直さなければならないと思っています。ダンススキルはもちろん、指導方法や伝える力を磨いていきたいと思っていますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします。これから自分がどう変化するのか、楽しみです。

奥村 比嘉さんの場合、ZUMBA®に惹かれてB1を受けてからインストラクターとして仕事をするまでに半年ぐらいかかって、その間毎日一生懸命練習をしたというお話がとても印象的でした。B1を取得しても自信がもてないまま途中でリタイアしてしまうこともありうるわけですが、これからZUMBA®インストラクターになろうと思っている人に向けて、ヒントになるようなことがありましたらお願いします。

比嘉 理想のインストラクターを決めて、その人の動画や現場のレッスンをひたすら見るのも一つの方法かと思います。自分はそうやってきました。ずっと見ていくと、キューの出し方や表情、身体の使い方、この音の時にはこの動きが来るなど、共通点を見つけることもできるのでオススメです。

奥村 比嘉さんともう一人の新ZJのジョセフ鮎さんは、僕の中ではダークホース感があるんです。ZUMBA®インストラクターとしてのキャリアアップを目的としてオーディションに挑戦する人が多いなかで、比嘉さんからは、自分の振付でお客さんが喜んだという成功体験を基にしてJammerになりたい、ZJとして自分の振付を伝えたいという思いがすごく伝わってきて感動しました。たしかにB1を受けて半年ぐらいでZUMBA®からリタイアしてしまう人も多くいますが、Jam Sessionはそんな方々に手を差し伸べることができる場であると思います。ぜひ頑張ってください。

中村 ありがとうございました。