コラム

2018.4.12 木曜日

Dr.カイボーの眼
第27回 “○か、×か”

世の中には、「正しいか間違っているか」「〇か×か」のように、二者択一的なものの見方が多いです。でも、どちらかだけが絶対に正しいなどということはほとんどありません。

 

日本の仏教そして禅の思想を世界に発信した鈴木大拙先生も「絶対に正しいと思う時は、それが正しくないという方向からも見なさい」という旨の言葉をおっしゃっています。自分は理解している、自分が正しい、とは思わないことです。自分が知らないこともたくさんあり、知りえないことも含めて全てがこの世の中(宇宙)なのだ、と謙虚に感じておきましょう。

 

でも、それでは判断できないじゃないか、と思われるでしょう。そうです。判断する必要はありません。その時々に正しい感じ方ができるような自分になることを目指しましょう。そうすれば今、みなさんが考えつく選択肢よりも多くの可能性がそこにあります。

 

自律神経には交感神経と副交感神経があります。交感神経は興奮の方向、副交感神経はリラックスの方向に働くことが多く、現代人は交感神経の方が極度に緊張していることが多いので、副交感神経優位になるようにしましょう、というような解説をよく目にします。

 

その通りなのですが、では一日中、副交感神経ばかりが働くようになると、それもよくありません。交感神経と副交感神経のバランスが大切なのです。私は交感神経優位で緊張が強い方にはまずは副交感神経が優位になるように瞑想の手法を使っていきますが、その際、交感神経が優位になる動きや呼吸法も取り入れていきます。そうすることでストレスを減らすとともにストレスに対処できる身心にもしていくのです。

 

ヨガも柔軟性ばかりを求めては良くない。強さも必要。同じように、もっと広く言えばカーディオエクササイズ(心肺機能を高めるためのフィットネス)ばかりではダメで、筋力・筋持久力のフィットネスや柔軟性をつけるフィットネスも必要、そして瞑想の時間も必要ということです。

 

私がZUMBA®も瞑想も、そしてパワー系のヨガや長距離走も楽しんでいるというのは、そういうことなのです。