コラム

2018.3.13 火曜日

Dr.カイボーの眼
第25回 瞑想の基本

私の瞑想の基本は「マインドフルネス瞑想」です。ここで「マインドフルネス瞑想」について簡単に説明しましょう。

 

ブッダは瞑想により悟りを開きました。仏教の世界ではブッダの教えに従い、瞑想によって悩みや苦しみのない悟りに至ることを目標にしています。西洋社会でもそのような東洋思想が注目されるようになり、1979年にジョン・カバットジン博士がマサチューセッツ大学医学部の中にマインドフルネス・ストレス低減プログラムを実施するセンターを開設しました。

 

センターでは、始めは医学的治療が困難な慢性疼痛の対処法として成果を上げ、以後、徐々に適応範囲を広げて、抑うつや不安、パニック障害、過食症などの精神症状の治療法としても成果を上げてきました。

 

また、グーグルは早くから瞑想に注目し、2007年には「マインドフルネス」を独自にプログラム化。インテル、フェイスブックといった企業でも同じような動きがあり、その後多くの企業が研修のテーマとして扱うようになっています。

 

グーグルで2011年にマインドフルネスの1日リトリートを行ったお坊さんがいます。ティクナットハンというベトナム出身のお坊さんで、ダライ・ラマと並んで西洋に大きな影響を与えている仏教界のリーダー、私もお手本にしている方です。

 

「どちらの側にも立たない。それがたとえ正当な怒りだとしても」。彼の素晴らしい言葉です。そして彼は言います。「常に呼吸に意識を払いなさい。そしていつも笑みを浮かべなさい」と。

 

私も正会員として所属している日本マインドフルネス学会ではマインドフルネスを次のように定義しています。

 

「マインドフルネスを¨今、この瞬間の体験に意図的に意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で、ただ観ること¨としています。なお¨観る¨は、見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる、さらにそれらによって生じる心の動きをも観る、という意味である。」

 

さてこれはどういうことなのか? 次回に解説します。