コラム
2018.2.27 火曜日Dr.カイボーの眼
第24回 瞑想のすすめ
私たちが日常、無意識にしている呼吸は、自律神経調節系と呼ばれ延髄に中枢があります。酸素の量(分圧)は大動脈や頸動脈にある受容器で、二酸化炭素の量(分圧)は延髄でモニタリングされ、その時々の状態に応じて必要な呼吸数や心拍動数が決められます。そこに意識は全く作用していません。
呼吸を意識すると、大脳皮質が働くことになります。呼吸の長さや回数を自分の意思でコントロールすることが出来ます。これを随意調節系と呼びます。瞑想の時の呼吸は意識して丁寧に行う呼吸です。
呼吸にはいろいろな呼吸法があります。代表的なところでは通常の呼吸、腹式呼吸、胸式呼吸、全呼吸などがあります。そして呼吸を使った瞑想では、意識しながらも全くコントロールしない、あるがままの呼吸(アーナパーナサティ)と、意識してコントロールする呼吸(プラナーヤーマ)を基本とします。
どちらも吸う息と吐く息を意識します。吸うことを知って息を吸う。吐くことを知って息を吐く。それをあるがままで行うか、自分の意思でコントロールして行うかの違いです。さらに「座る」「横になる」「立つ」「歩く」あるいは「食べる」などの所作を組み合わせ、加えて様々な意識づけの手法を用いて、呼吸に伴う心身ともに微細な変化に気づきをもっていくのです。このアプローチはいにしえの昔から現在まで、伝統的なものから新しい手法のものまで、多くの指導者により種々行われています。
私が瞑想を実践して感じたこと、約30年間の医師としての経験を通して感じたこと、そしてフィットネスインストラクターの経験を通して感じたことを統合し、心身ともにより自分らしい生き方を実践できるように解釈したものを「マインドウェルネス瞑想」と呼び、JWIでもワークショップなどを通じてこの瞑想を広めていくことになりました。
「マインドウェルネス瞑想」は、フィットネスとしても使うことができ、またそれ以上に「イェーイ!」な生き方そのものに反映させていくことができるものです。
貝原 良太(かいはら りょうた)
JWI「医学と健康」認定講師、AFAA PC取得者。医療法人貝原医院理事長、内科医、医学博士。現在は佐賀県医師会常任理事や武雄市健康づくり推進協議会会長なども務め、またZUMBA®やヨガ、瞑想のサークル活動や講演もしている。