コラム
2018.2.1 木曜日AFAA FDEC―秋野典子さんに聞く
秋野典子(あきの のりこ) AFAAマスター検定スペシャリスト、ZUMBA®教育スペシャリスト。ワークショップやインストラクター養成を日本全国で展開している。
聞き手:中村好男(JWIアドバイザー、早稲田大学教授)
―FDECとは、どのようなライセンスですか?
秋野 Fitness Dance Exercise Certificationの略で、エアロビクスダンスエクササイズインストラクターとして必要な知識、プログラム構成法や様々な展開テクニック等の指導スキルを習得していただくライセンスです。AFAAではPC(Primary Certification)がグループエクササイズの土台になっていますが、FDECもPCを基盤としつつ、エアロビクスダンスエクササイズに特化した内容になっています。
ウォームアップ(安全で効果的なウォームアップの組み立て方や手順、ストレッチの種類や方法)、リニアプログレッション(動きの変換要素を理解した上で直線的に動きを漸進させていく初心者に最適な展開テクニック)、コンビネーション(特にマッスルバランスを考慮したスーパーシンメトリーコンビネーションにフォーカスした展開テクニック)、キューイング(バーバルキューイングやビジュアルキューイングの種類とそのテクニック)の4つで構成され、どのようにすればお客様にとって分かりやすいか、どのような手順で展開するとお客様がスムーズに動きやすいか、など、全部で8~10種類のテクニックがあります。PC取得後、エアロビクスダンスエクササイズのそれぞれのテクニックの使い方やメリット等々について学んでいただいて、検定試験に合格するとFDECライセンスが取得できます。
―FDEC検定対策として、どのような学び方がありますか?
秋野 FDEC検定対策セミナーとして位置づけられているPSC(Practical Skill Choreography)ワークショップを受講後、検定を受けることができますが、エアロビクスダンスエクササイズのキャリアを積んできた、かなり熟練したインストラクターでないと、1日で8~10のテクニックすべてを身につけるのは難しいと思います。
私の場合、PCの養成コースを卒業した生徒さんたちにFDECライセンスを取得していただくように促して、週に1〜2度、最低でも2か月はかけてマスターしていただいています。例えば最初に2つのテクニックを教え、練習期間を置いて、さらにこのテクニックを使ったオリジナルのコリオを課題にし、1週間後にチェックします。アドバイスをして、次に新しいテクニックに移る、というように、時間をかけてじっくり取り組むようにしています。
最近は、エアロビクスの指導だけでなく、ZUMBA®やラテン系のラテンエアロビクス、レゲトンエクササイズに特化したプログラムを提供あるいは指導もしたいという方々が非常に多いので、私のFDEC養成コースでは、エアロビクスだけではなくて、他のダンスの要素を取り入れたプログラムもできるようになるところまでを目標にしています。
―最後に、まだFDECライセンスを取得していない方、FDECをご存じでないインストラクターの皆さんに向けて、メッセージをお願いします。
秋野 JWIのFDECはメソッドがしっかりしていますので、すでにレッスンを担当されている方は今までの指導方法を確認することにもつながります。これからエアロビクスもしくはラテン系のダンスエアロを指導していきたいと考えているインストラクターの方々は、FDECを学ぶことにより基盤ができて、自信とスキルが確実に身に付きます。
フィットネスは日進月歩、進化し続けています。今後もいろいろなプログラムが出てくると思います。私たちも常にアンテナを張っていないといけませんし、情報をキャッチして必要な情報、いらない情報を選択する力も大事だと思います。FDECはもちろん、AFAAライセンスの取得は変化への対応力やアンテナを張る感性を磨くこともできると思いますので、ぜひとも挑戦していただきたいと思います。