コラム

2017.10.13 金曜日

Passion for ASIA 3rd

前回、“私が立ちたい場所はアジアで、目指すのはアジアの国々が一丸となって健康を求めていくASIA WELLNESS INNOVATIONだ”と述べた。

 

だが、“AWI”という会社ができればいいとは思わない。AWIは、アジア各国のフィットネス&ウェルネス組織の代表から成る federation(フェデレーション・連合)、もしくはalliance(アライアンス・提携)として考えたい。アジアをつなぐASIA WELLNESS INNOVATION. 将来ぜひ実現させたい。

 

9月20日から26日にかけて、タイと台湾に行った。タイで面会したのは高校時代、オーストラリアの寮で3年間一緒だったタイ人の友人。父親はタイ国の大臣であり実業家でもある。私と同い年の友人は父親の会社の役員をしているが、以前から「自分で新たなビジネスを始めたい、関心があるのは健康だ」と言っていた。

 

そんな友人にバンコク市内で会い、さまざまな話をした。現地でのAFAAやZUMBA®、9Round、FATBURN等のビジネス構築のためのファーストステップだ。

 

タイのフィットネス業界の歴史はまだ浅い。クラブは都市部にありインストラクターもいるが、フィットネスはまだ中上流の限られた階層の人たちのものという感がする。日本のように誰もが気軽にクラブに通うような文化には至っていないように思う。フィットネスプログラムを展開するのにも費用がかかり、潤滑に回っているわけではないのが現状だ。

 

インストラクターも、ZUMBA®やAFAAの資格をもったインストラクターはいるが、資格を持たなくても見よう見まねでテクニックを身につけ、無資格でインストラクターを名乗る者も同じ数ぐらいいる。あるクラブではZUMBA®ならぬ“ZOMBA”のクラスがあり、そこでは社交ダンスのレッスンが行われていた。この点、日本のインストラクターの皆様の規律正しさを再確認し、心からより感謝しなければと思った。

 

また、タイでは資格を取得しても、それを保持するために組織の講習会に出るという習慣もない。たとえば、ZUMBA®の講習は現地で受けることができるが、個々人がZUMBA® USAのサイトに登録をしてサービスを受けることになっている。もちろん、情報は英語で得ることになる。

 

分からないことがあっても気軽に聞ける人もなく、自分のポジションを保証しさらにスキルアップのためのワークショップを行う組織もない。インストラクターがサポートされていない状態にあると言っていい。

 

ZUMBAウェアー一つとってもそうだ。タイでは正式に販売している機関がないため、普通のインストラクターでは欲しくても買えない。買おうとしたら、アメリカからの輸入税等を払ってかなりの割高で購入せざるをえないし、またその後のアフターケアもない。大部分のアジアの国ではもっぱらそのような状況だ。このままではブランドとして統一性をもって伸びることはできないだろうし、そのツケは結局、お客さんに回ることになる。

 

そんな中で私たちにできることは何か。さまざまなソフト面での提供を通じて、タイそしてアジアの人たちが自立して現地のフィットネス業界の発展に寄与していくような手助けをしていきたい。それは短期間にできることではなく、長期的な、ライフワークともいえるような仕事になるだろう。それが私からのZUMBA®やAFAAへの恩返しになれば、と思う。