コラム

2018.11.6 火曜日

ライセンス取得者の声-PST(パーソナルスポーツトレーナ―)

このシリーズではJWIが提供するプログラムの指導者ライセンスを取得された方と担当講師にお話をうかがいます。

 

フィットネス指導者にこそおススメのPST!!

 

 

 

 

 

 

 

取得者 亀田直之さん(フリーインストラクター)

講師  長谷山留美さん(AFAA/JWI指導陣、PSTマスタートレーナー)

 

―亀田さんは今年4月にPSTを取得されました。ふだんはどんな仕事をされているのですか?

 

亀田 フリーでインストラクターの仕事をしています。高校生の時からスポーツクラブに通ってエアロビクスのクラスに参加し、その流れでインストラクターになりました。

 

―ダンス系のグループレッスンですね。それがスポーツトレーナー系のPSTの取得へと向かったきっかけは何だったのですか?

 

亀田 レッスンをしていると、お客さま、特に高齢者の方から肩や腰が痛い、「どうやってケアしたらいいか分からない」という悩みをうかがうことがあります。何のアドバイスもできない自分が歯がゆくて、レッスン後のケアまで提供できるフィットネス指導者でありたいと思いPST取得コースを受講しました。

 

―PST取得コースを受講し始めたのはいつからですか?

 

亀田 会報誌(Workshop Schedule)でコースのことを知って、まずは6時間の体験コースに参加しました。取得コースは昨年の9月から半年以上かけて今年の4月に修了できました。

体験レッスンでは、テーピングやトリートメント、モビライゼーション、一つ一つは分かるけれども、それがどのようにつながってお客様にどのように提供していくのか分かりませんでした。自分もやってもらって気持ちいいなとは思うんですけれど、それを現場でお客様にどうやって落としていくのか、見当がつかなかったんです。

僕がゴールとして設定していたのは、お客様が痛みを感じるとしたら根本的にその痛みはどこから来ているのかをつきとめることができて、伝えてあげられるということでした。6時間のコースだけではそのゴールに行けるのか行けないのか、PSTの技術を取得することが自分のゴールとマッチしているのか、イメージをつかむのは難しかったですね。

 

長谷山 それで体験コースの後、実際の活動現場はどうなっているのか、何度も聞いてきたのね。取得コースは長丁場になるので、ビジョンがないと続けるのは難しいと思います。亀田さんの場合、クラブのお客様の悩みに答えるというビジョンがはっきりしていたのでうまくいきました。

 

―途中で辛いと思ったり困ったりしたことはありましたか?

 

亀田 辛いとは思わなかったけれど、セッションは1か月に1度、できる限り詰め込んでいるので、帰るとどうしても忘れちゃうことが出てくるんですよね。分からないことが出て来た時に面と向かって聞くことができなくて、正解が分からなくなってしまうことがありました。

 

長谷山 身体のことだから実際に触ってみないと分からないこともあるしね。その人がどう感じているのかを見ていないと、基本的なことしか答えることができないので。

でも、本当だったらこの内容をマスターするまでに2年以上かかるんですよ。私も専門学校でスポーツ系の手技を習ったけれども、学生の頃の意識と授業ではポイントがつかめなかった。PSTはテキスト自体がコンパクトにまとまっていて、要点が明快なんです。使い方のポイントが載っているんですね。監修の山田晃広さんはご自身で整体の仕事もされていたから、無理と無駄のない要点を抑えることができたと思います。

 

―PSTは亀田さんのようにパーソナルトレーナー経験がない人でもすっと入れるようですね。

 

長谷山 むしろトレーナー業の経験がなく素直にPSTに入ってきたからよかったのかな。トレーナーは強化とリリースの両方を考えるので、いろいろなことをやらせたくなってしまう。リリースもトレーニングがよくできるようにするため、「強化のためのトレーニングありき」で考えるんですね。でもPSTは「まずメンテナンスありき」。強化をするためには体をいい状態にしなければならない。そのいい状態にするにはどうするかに重点が置かれているんですよ。

 

―全コースをやり通して、最後に検定試験を受けたのですね。

 

亀田 はい。山田先生が検定官となって試験を受け、その場ですぐにフィードバックをもらうことができました。山田先生からの実技に対してのフィードバックはすごく刺激になりました。長谷山先生とは常にマンツーマンで、いつも質問をして、すべてに答えが返ってくるので安心しきっていました。

 

―PSTを取得してからは? また、これからどんな活動をしていきたいですか?

 

亀田 取得後、すぐにクラブに企画書を提出して始めさせていただきました。でも今は「PSTは入り口なんだ」と痛感しています。実際にお客様に対していると次の課題が見えてきて、これからもワークショップにも参加してもっと学んでいきたいという思いが強くなっています。

 

長谷山 基本が身に付いたら次は応用編ですね。卒業生が増えてきたので、現場でよく起こる痛みのやわらげ方などケーススタディで学ぶスキルアップコースも設定され始めました。まだまだ学びは続きます。

 

―亀田さんはお客様の悩みに答えることをPST取得の目標としてきました。実際に取得してみて、反応はいかがですか?

 

亀田 最初から反応がすごくいいです。グループレッスンが終わってから来てくださる方もいて、「楽になった」と言っていただけるのがとても嬉しいです。グループレッスンを指導していると、クチコミでお客様が広がっていきますよね。PSTって、僕たちグループレッスンのインストラクターも入っていきやすいと思います。

パーソナルトレーナーは理学療法士さんや整体師さんたちの領域で、インストラクターは入っていけないというイメージがあると思うんです。僕たちは鍛えるのが仕事で、整えるのは違う人、インストラクターがそちらの領域に踏み込んで通用するのかという。でも、実際にレッスンに来る多くのお客様は治療関係のところにはなかなか足を運ばないんですよ。

本当は健康になるためのスポーツクラブが、逆に運動することで痛いという状況に陥っていかないように、お客様の身近にいるフィットネス指導者が橋渡しをできれば、もっといろいろな人が健康になれると思います。人を幸せにすることができる、幸せになる人を見ると自分も嬉しくなる、だからもっともっと学びたい―PSTってそういう気持ちになれるんです。

 

長谷山 亀田さんの場合、クラブのお客様の悩みに応えるというビジョンがはっきりしていました。トレーナー業の経験がなく素直にPSTに入ってきたこともプラスの方向に働いたと思います。

「楽になった」と言われるのが嬉しい、亀田さんは練習の時からそう言っていました。最初迷いながら始めて、宿題で周りの人にやってみた時に喜んでもらえた、それがすごく嬉しいと。その体験がキラキラ輝いていましたよ。「嬉しい」と言われるのが職業になり、お金になり、喜んでもらえるためにもっともっと学びたいという気になる。素晴らしいと思います。

 

―ありがとうございました。