コラム
2018.8.3 金曜日Dr.カイボーの眼
第34回 グローバルギャップ
GLOBAL G.A.P.(グローバルギャップ)という言葉をご存知ですか? “GAP”とはGood(適正な)、Agricultural(農業の)、Practice(実践)。ヨーロッパ発の世界認証のことです。農業生産における様々な面での持続性に向けた取り組みであり、その結果として安全で品質のよい農産物をもたらしています。運営主体は大手小売業者などからなる非営利組織「フードプラス」(本部ドイツ)。現在、世界120か国以上に普及し、事実上の国際基準になっています。①食の安全、②労働環境、③環境保全などの観点から200項目以上のチェックを受けます。
日本でも認証を受けている農場は増えていますが、厳格に見ると日本ではGROBALG.A.P認証基準にはあてはまらない例がほとんどです。またG.A.P.は人と自然に優しい農業を実現することであるのですが、日本では農作物の安全性を確保する農場認証制度になっていて、似て非なるものになっています。
本当は食の安全性だけでなく、環境問題も考えなければなりません。そのためには必要以上の肥料投入や化学農薬使用による自然環境の循環機能を阻害する行為についてもチェックしなければなりませんが、日本では単なるビジネスツールや経営管理の手法という捉え方をして、これを商業G.A.P.と表現する人もいます。
私たちは正しく知る必要があります。そして正しく行動する必要があります。このようなことに対してどのように対応すればいいのか、そう感じた時、私は呼吸に意識を向けて瞑想をします。