コラム

2018.4.12 木曜日

フィットネス指導者の自立と自信

さて、このシリーズも最後に近づきました。
そもそも、「フィットネス指導者」とはどのような存在だったのでしょうか?

トレーナーであれインストラクターであれ、自分でそのように名乗りさえすれば「トレーナー」「インストラクター」としての仕事をすることができます。
しかし一般的には、必要とされるさまざまな知識や技術を身につける過程で、フィットネスクラブの社内研修も含め、資格認定組織が定める所定の養成課程を修了し、何らかの、あるいは複数の資格を取得して活動しています。

資格を取得し呼称することは、フィットネス指導者の仕事の可能性を拡げるものではありますが、資格の呼称にともなうさまざまな規則・制約に束縛される必要があり、その分、フィットネス指導者としての自由度は抑制されます。場合によっては、自分の理想とする指導をすることが禁じられることもあるかもしれません。

フィットネス指導者が仕事をする上で、その意義や意味を評価することができるのは、お客様です。一方でフィットネス指導者は、資格認定機関や会社の管理下に置かれ、その評価に堪えなければなりません。フィットネス指導者としての仕事が各々の組織・機関の定めの下でなされているからです。

フィットネス指導者にかぎらず、会社員は会社のために働き、公務員は政府のために働く。本来であれば、お客様や国民のための組織ではあっても、実際の業務を遂行する段では、組織の定めに従わなければならないのは世の常識です。この場合、みずからの仕事の意義や意味を評価するのは、会社や政府です。

フィットネス指導者がお客様個人の幸せを目指して仕事をする上で、会社という制約を不自由に感じるのであれば、会社を辞めてフリーになるか、あるいは会社の「お客様」に徹するか、いずれかの選択肢しかありません。

フィットネス指導者が本当の実力を身につけ、フィットネス指導者としての本来の仕事ができるような資質を備えていれば、独立しても仕事が絶えないことでしょう。一人ひとりのフィットネス指導者が自信をもって自立するための中核となるのは、「お客様に寄り添う」という態度、そうすることができる能力なのです。