コラム

2017.7.7 金曜日

Dr.カイボーの眼
第1回 すごいぞ! フィットネス

貝原 良太(かいはら りょうた)

JWI「医学と健康」認定講師、AFAA PC取得者。医療法人貝原医院理事長、内科医、医学博士。現在は佐賀県医師会常任理事や武雄市健康づくり推進協議会会長なども務め、またZUMBAやヨガ、瞑想のサークル活動や講演もしている。

 

 

 

 

 

みなさん。こんにちは。Dr.カイボーこと、貝原良太と申します。佐賀県武雄市でかかりつけ医として内科診療をしています。

みなさんもご存じのように、わが国は世界で初めて、超高齢社会に突入しました。当院の患者さんも半数は75歳以上です。診察中、私はAFAAのPC取得者としての知識を駆使しながら、フレイル予防やロコモ予防について簡単な指導をしています。

また、ヨガ、瞑想、そしてZUMBAのインストラクターとして、地元の公民館などでサークル活動や講演をし、武雄市健康づくり推進協議会会長として市民の健康寿命を伸ばす取り組みにも関わっています。今年(平成29年)4月の武雄市のJOYNTでは、「呼吸と瞑想」というテーマで一コマ受け持たせていただきました。

自己紹介はこのくらいにして、このコラムでは、医師(内科医)の視点から、フィットネスインストラクターが社会で果たす役割の可能性について、医学的な話を交えながら述べてみようと思います。まずは、私がフィットネスに関わるきっかけとなった事柄からお話ししましょう。

私の診療所は、インフルエンザなど感染症の多い季節には、1階で高血圧や糖尿病などの生活習慣病やその他の疾患で定期的に通院されている患者さんを、2階で感染症の患者さんを診察しています。そのため、この季節の私は1階と2階、何度も階段を昇り降りします。運動を兼ねて仕事ができるので良いことだと思っていたのですが、今から6年前、平成23年の年末、そうするだけで頭重感や動悸が起きていました。「もしかして」と思い血圧測定をしたところ、高血圧になっていました。

その頃は忘年会続きで外食が多く、塩分摂取量も多くなり、体重が1か月で2キロ増えましたので、そのために血圧が上がったのでしょう。対策としては、体重を2キロほど減らせば血圧は正常化すると思われました。しかし、どうせ体重を落とすなら、一般的にその人のベストと言われている20歳頃の体重にしよう、と決意したのです。

私の場合は、12キロ減を目標と定めました。方法はどうするか? 食事が大好きな私は食事量を減らしたくない。ならば運動するしかない! ただ、体重は一朝一夕には減らせないので、軽い血圧の薬の内服を始め、血圧と体重測定を毎日しました(ここは大事なポイント、生活習慣病は日々の観察が大切なのです)。

運動は、5キロのランニングを週に3回ほど。年が明け平成24年となり、地元のフィットネスジムに入会しました。この時点で体重はすでに3キロ減でしたが、それでも入会時の体脂肪率は28%もありました。ジムでZUMBAやヨガ、ピラティスと出会いました。フィットネスインストラクターさんの素敵な笑顔や溌剌とした動き、感動でした。

ウキウキ、ワクワクの楽しいジム通い。1月中旬に血圧の薬は不要となり、その年の9月に体重は目標に到達し、体脂肪率も18%になりました。10月の体育の日には武雄市が行った体力テストを受け、実年齢より20歳若いという結果でした。2階に上がるだけで動悸がしていた私が、10か月間のフィットネスで体力は20歳以上若返ったのです! この体験は、フィットネスの可能性を大きく感じさせるものでした。

すごいぞ、フィットネス! フィットネスインストラクターさんはこれからの社会に必要とされる人たちだ! そう強く感じたのです。